前立腺肥大症
特徴
前立腺が肥大することにより、排尿に関する症状を引き起こす病気を前立腺肥大症といいます。 前立腺が肥大する原因につきましては、まだ完全にはわかっておりませんが、男性ホルモン が関与しているといわれています。
前立腺とは
前立腺とは、男性にだけある臓器の一つで、膀胱の出口で尿道を取り囲んでいます。
こうしたことから、前立腺が肥大すると尿道を圧迫してしまい、排尿に関する症状を引き起こすというわけです。
本来はクルミほどの大きさですが、肥大がすすむとミカンほどになります。
前立腺の働きといえば、前立腺液の分泌です。
前立腺液は、精子の保護や栄養を与えるといった大変重要な役割を担っています。
症状
前立腺肥大症の症状としては、尿が出にくい、勢いがない、途中で途切れるなどの排尿障害があります。
また、『過活動膀胱』といって、膀胱が過敏になってしまうことで、尿が十分にたまっていないのに膀胱が収縮してしまうという症状もみられる場合があります。
つまり、膀胱が勝手に縮まってしまうために、突然トイレに行きたくなったり、トイレの回数が増えたりするのです。
排尿後の症状もあります。
残尿感や排尿後尿滴下です。
残尿感は、排尿した後なのに「出し切った感じがない」「まだ残っているような気がする」というもので、排尿後尿滴下は、排尿直後、下着の中で漏れ出てしまうといった症状のことです。
当院での治療法
米国において、医学研究の拠点機関であるアメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health、NIH)は、鍼治療で効果のある疾患のうちのひとつとして前立腺肥大症をあげています。
当院では上述の症状の改善を目的に、以下の経穴(ツボ)を使って治療を行っております。
- ✅ 中極…おへそから下に向かって指幅5本分の位置。
- ✅ 中髎…第3後仙骨孔。
- ✅ 胞肓…第2後仙骨孔の外側。
- ✅ 陰包…膝蓋骨底から上に向かって指幅5本分の高さで薄筋と縫工筋の間。
- ✅ 命門…第2腰椎棘突起の下方。