低血圧
特徴
血圧とは、心臓からの血液が、血管の壁を押す圧力のことです。 心臓は、縮んだり(収縮)、ふくらんだり(拡張)、まるでポンプのように動いて全身に血液を送り出しています。
そして、心臓が縮んだときの血圧を『収縮期血圧』といい、一般的に「上の血圧」などと呼ばれています。 逆に「下の血圧」と呼ばれているのが『拡張期血圧』で、心臓がふくらんだときの血圧です。
低血圧とは、収縮期血圧100mmHg以下、拡張期血圧60mmHg以下を世界基準としています。
症状
低血圧の方が訴える症状はさまざまです。
- ✅ めまい
- ✅ 立ちくらみ
- ✅ 全身のだるさ
- ✅ すぐ疲れる
- ✅ 胸の痛みや圧迫感
- ✅ 肩こり
原因
- ◎本態性低血圧
低血圧の原因となる疾患がない場合に「本態性低血圧」と診断されます。低血圧の中で約90%を超えるほど多くみられ、体質的なもの、あるいは遺伝による可能性もあります。 - ◎症候性低血圧
何らかの疾患によって低血圧となっているものを「症候性低血圧」といいます。 - [1]循環器疾患…心臓に異常が生じると、心臓の拍動数や、1回の拍動で押し出す血液量などに影響を与え、血圧コントロール機能の低下をきたします。
- [2]内分泌疾患…アジソン病、シモンズ病、甲状腺機能低下症など、血圧を調整するホルモンの異常によって血圧の低下を生じます。
- [3]循環血液量の減少…出血や脱水、貧血など全身の循環血液量の減少によって血圧の低下を生じます。
※その他、感染症や中毒などによって血圧が低下する場合もあります。
当院での治療法
本態性低血圧の方には、心臓や胃腸の機能を高めるこを目的にした治療を進めてまいります。
※低血圧の治療におきまして、当院では「本態性低血圧」の方を対象とさせていただいており、「症候性低血圧」と考えられる方には治療を行わず、医師の受診をおすすめしています。
実際の症例(1)
2022年4月8日/27歳/女性/会社員
「小学生の頃からお風呂に浸かって出るときに時々ふらっと倒れそうになります。朝起きるのが苦手。血圧は低いです。上が80いかないことが多いです。あとは、肩こりとか。言うのも恥ずかしいですけど、肩がつらくて吐きそうになることもあります。鍼は初めてで少しこわいですけど、良くなるなら何でもやっちゃってください(笑)」
- 心臓のデルマトームに属する経穴(ツボ)に鍼(はり)、灸(きゅう)。
- 鍼、按摩(あんま)、指圧を用いて後頭部の下から肩にかけて筋緊張の緩和を図る。
- 『気血循環』を目的に全身的なマッサージを行う。
- 途中、「もう違うのがわかります。どんどん軽くなっていく。鍼ってすごいな。」
- 治療後、左肩を確認しながら「あれ?私のゴリゴリどこ行った?こんな軽くなるんですか!?」
2022年4月15日に2度目のご来院。
肩を触りながら「2~3日とても楽だったんですけど、ちょっと戻っちゃいました(笑)また前回のをお願いします!」
起立性低血圧(お風呂などで立ち上がるときに生じる立ちくらみ)についてお聞きすると「あっ、覚えてないです…。どうだったかな。これから意識してみます!」
- 前回と同じ治療法。
2022年8月9日に11度目のご来院。
「聞いてください!先週、(病院に)行ってきたんですよ。血圧を計ってもらったら、100超えてたんですよ!こんなことなかったです、ほんとに。お風呂出たときの立ちくらみも引き続きないです。」
- これまでと同じ治療法。
- 治療後、首と肩の状態も良くなっていることをお伝えすると、「ですよね?なのでそろそろお顔の鍼をお願いしちゃっても良いんでしょうか?ほうれい線がえらいことになってましてですね…。」