ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)
特徴
親指と手首は「短母指伸筋腱」と「長母指外転筋腱」という腱でつながれており、この2本の腱は「腱鞘(けんしょう)」と呼ばれるトンネルの中を走っています。
ドケルバン病とは、「短母指伸筋腱」「長母指外転筋腱」「腱鞘」が炎症を起こすという状態のことで、狭窄性腱鞘炎ともいいます。
妊娠出産期や更年期の女性に多くみられるという特徴があります。
また、スポーツや仕事などで指を使う方にもみられます。
症状
- ✅ 親指に力を入れたり、親指を広げたりすると、手首の親指側に痛みが生じる。
- ✅ 橈骨茎状突起(とうこつけいじょうとっき:橈骨の下端の外側にある尖った部分)に腫れや痛みがある。
原因
妊娠後期や出産直後の女性に多くみられる原因は、出産後の抱っこなどによる親指への負担や、妊娠や出産によるホルモンが挙げられます。
更年期の女性に多くみられる原因となるのは、主に家事による手への負担や、閉経によるホルモンバランスの変化です。
このほか、ピアニストや美容師に多くみられるのは、長時間にわたって手を酷使する職業であることが原因であるとされています。
当院での治療法
鍼や灸を用いて「短母指伸筋腱」と「長母指外転筋腱」の筋緊張を緩和します。
必要に応じて鍼通電療法(低周波治療器)を行うこともあります。
その後、血行促進、気血循環を目的に按摩、オイルマッサージなどを行ってまいります。
私の臨床上ではございますが、早い方ですと1回の治療で、最も長い方で4回目の治療で全く痛みがなくなったとおっしゃっていただいております。