難聴・突発性難聴
特徴
音が耳から脳まで伝わる経路のどこかで障害が起こり、音が聞こえづらくなったり、まったく聞こえなくなったりする症状を「難聴」といいます。
難聴は3つの種類に分けられます。
◎伝音性難聴
中耳炎など主に中耳の疾患でみられます。大きな音であれば聞こえるという特徴をもち、補聴器などで音を聞くことが可能です。
◎感音性難聴
突発性難聴やメニエール病などの内耳の病気や、聴神経腫瘍をはじめとする中枢の病気でみられます。大きな音でも聞こえづらく、補聴器でも補えないものが多いとされています。
◎混合性難聴
老人性難聴に多く、まるで音がぼやけているように聞こえたり、比較的小さな音が聞こえないなどの特徴をもちます。混合性難聴の場合、伝音性難聴と感音性難聴の両方の特徴をあわせもっているため、そのどちらが強いかによって、症状に大きく差が生じます。
原因
外耳や中耳の疾患(中耳炎、外耳道炎、耳硬化症など)をはじめ、糖尿病や高血圧症、低血圧症、貧血のほか、聴神経腫瘍なども原因のひとつとして挙げられます。
突然耳が聞こえなくなったら、ただちに耳鼻科を受診してください。
突発性難聴は、発症から治療開始までの時間がとても重要です。「あれ?急に聞こえなくなったな」と感じたら、必ず10日以内に耳鼻科を受診していただきますようお願い申し上げます。
当院での治療法
※当院にご来院いただいた場合におきましても、耳の炎症所見がみられる場合や、中耳炎がある上でのめまい・耳鳴り・難聴の悪化を自覚される場合は、治療を行わずに専門医への受診をお勧めしております。
この点につきまして、どうかご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
当院での難聴の治療は、東洋医学的な鍼灸治療を行っております。
主に『肝』、『脾』、『腎』のうち、患者様お一人おひとりに影響を与えている働きを見つけ、それに属する経穴(ツボ)を用いて治療を進めてまいります。
また、耳周辺をはじめ、手首や手の甲、足首にも多数存在する経穴を選択し、治療に役立てております。
実際の症例(1)
2022年3月29日/47歳/女性/事務職
「2年前から少しずつ両耳の聴力が落ち始め、耳鼻科では加齢による難聴で治療法は無いと言われました。このまま聞こえなくなっていくと思うと悲しくなります。」
耳と深く関与する『腎』に属する足の経穴(ツボ)と、『気血循環』を目的に手の甲、手首に鍼(はり)と灸(きゅう)。
- 『肝火』を抑えるため特定の経穴(行間・陽陵泉・合谷)に鍼。
- 頭や首、耳周辺、鼻の近くの経穴に鍼と接触鍼。
- 耳に関与する血流改善を目的に、側頭筋や咬筋などにあん摩、マッサージ。
- 全身の気血循環を目的に、全身的なあん摩・指圧・マッサージ。
- 治療後「効果は実感できませんが、もう少し続けてみようと思います。」
2022年4月4日に2度目のご来院。
「次の聴力検査が8月です。それまでに少しでも回復できれば良いですね。」
- 前回と同じ治療法。
- 治療後「何も変わりません。でもすぐに聞こえるようになるとは思っていませんので。」
2022年4月11日に3度目のご来院。
「朝起きたとき、いつもより良く聞こえるような気がするんです。毎朝ではないですけど。気のせいかも知れませんが。」
- これまでと同じ治療法。
2022年4月24日に5度目のご来院。
- 治療中「先生の声が響いて聞こえます。」
- 治療後「明らかに普段より聞こえています。」
2022年8月20日に12度目のご来院。
「聴力検査に行ってきました。朝から耳の調子が悪かったんですけど、予約しているから断れないしイヤだなぁと思って。数値は、残念ですけど去年と変わらなかったです。調子が悪くなければ良い数値が出てたかも知れないのに…。でも先生は『(聴力低下が)進んでないみたいなので良かったですね』って言ってました。」
- これまでと同じ治療法。
- 治療後「来年は良い結果を出したいです!