正中神経麻痺

特徴

私たち人間の前腕には2本の骨が並んでいます。
親指側を橈骨、小指側を尺骨といいまして、正中神経は橈骨と尺骨の間を走っています。
この正中神経が何らかの原因で損傷されたときに起こるのが、正中神経麻痺です。
そして、正中神経麻痺には次の3種類があります。

  • A. 手根管症候群…正中神経が手首で圧迫されて起こるもので、最も多くみられます。
    症状といたしましては、
    ◎親指・人差し指・中指・くすり指の親指側において、夜間にしびれがある
    ◎親指の付け根が瘦せている
    ◎物を落としやすい
    などが挙げられます。
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  • B. 円回内筋症候群…正中神経が肘関節周辺で圧迫されて起こるものです。
    症状といたしましては、
    ◎親指・人差し指・中指にしびれがある
    ◎親指・人差し指を曲げることが難しい
    ◎肘を伸ばすことが難しい
    などが挙げられます。
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  • C. 前骨間神経症候群…肘のあたりで正中神経から枝分かれした前骨間神経が損傷を受けると起こります。
    症状といたしましては、
    ◎親指・人差し指の第1関節が曲がらない
    ◎OKサインがきれいな丸にならない
    などが挙げられ、『しびれは無い』ことが特徴です。

原因

  • A. 手根管症候群…特発性(原因が特定できないということ)が多いとされていますが、手首の使いすぎや、手首のケガ・骨折後の手根管内の腫瘤や炎症により、正中神経が手首で圧迫されることで手根管症候群が起きます。
     このほか、妊娠期や出産期など女性ホルモンの乱れによる“むくみ”が原因になる場合もあります。
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  • B. 円回内筋症候群…肘のあたりに肘関節を曲げたり、前腕を回内(手首を内に回す動き)させる働きを持つ筋肉があり、これを円回内筋といいます。
     この円回内筋が異常に緊張・収縮することで、円回内筋を貫くように走っている正中神経を圧迫してしまい、しびれ・痛み・筋萎縮などの症状を起こす円回内筋症候群を発症します。
     テニスのフォアハンドにおいて、トップスピンを強くかけようとする動きは円回内筋に大きな負荷を与えるほか、野球、ボーリングなどでも原因となることがあります。
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  • C. 前骨間神経症候群…肘のあたりで正中神経から枝分かれした前骨間神経が、肘から先のケガや骨折、神経炎などによって損傷することで前骨間神経症候群の原因として挙げられます。

当院での治療法

原因となっているそれぞれの筋肉に対して、鍼(はり)や灸(きゅう)、マッサージなどによる機械的刺激を与えて血行の促進、栄養状態を向上させることで、機能回復を図ってまいります。

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