肉離れ・筋挫傷

特徴

運動中に急な動作や過剰な負荷によって筋繊維を断裂、または損傷することを筋挫傷(きんざしょう)といい、
一般的に「肉離れ」と呼ばれています。
特にダッシュやジャンプ動作で発症することが多く、
短距離ランナーはハムストリングス(太ももの後面の筋肉)に
長距離ランナーは下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)に
ジャンプ動作の多いスポーツでは大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉)に起きやすいとされています。
発症時、「ブチッ」といった音を自覚することがあり、
症状は激痛で、とても運動を続けることができないほどの痛みを伴います。
また、患部の色が変わっていたり、少し凹みができていることがあります。

原因

筋肉が収縮しているとき、急に引き伸ばされることで発症します。
つまり、筋肉に対して急激な負荷がかかり、その負荷に筋肉が耐えられなくなったとき、
筋肉の一部分が損傷、あるいは断裂してしまうのです。

肉離れを起こさないために

上述のとおり、肉離れは「収縮した筋肉が引っ張られる力に負けたとき」に起こります。
ですから、スポーツ前はしっかりと動的ストレッチを行い、筋肉をしなやかな状態にしておくことが重要です。

当院での治療法

※発症直後の場合は治療を行わず、ご自身でのセルフケアをお願いしております。
 ①患部を包帯などで圧迫し、心臓より高い位置で保持します。
 ②そのまま氷嚢などを使って約20分ほど患部を冷やします。
 ③氷嚢を取り去り、患部とその他の皮膚温が同じくらいになるまで待ちます。
 ④皮膚温が変わらなくなったら再度冷やします。
 以上を数回繰り返すと痛みが軽減されてきます。

発症直後ではない患者様に対しましては、次のとおりです。
患部から少し離れたところに鍼(はり)をすることで、
患部の血液を誘導して患部の症状を調整する治療法を採用しています。
これを健部誘導法といいまして、鍼のあとは灸、そして弱い圧でのオイルマッサージを行っています。
私のこれまでの臨床上ではございますが、1週間ほどの治療で痛みを感じなくなります。

実際の症例

2022年8月19日/--歳/男性/プロサッカー選手
※ご本人の特定を避けるため、年齢の公表は控えさせていただきます。

「先日の試合中、右のふくらはぎに張りを感じました。そのままプレー続行をしていたところ痛みが増してきたという感じです。」

→右腓腹筋(右ふくらはぎ)の外側頭(外側の筋肉)中央部に硬結を蝕知。熱感は無いが、患部に触れると痛み反応。健部誘導法を選択。

右腓腹筋の外側頭と内側頭で患部からやや離れた場所に鍼通電療法(低周波治療器)。
左右ともに下腿(ひざから足先まで)にオイルマッサージ。
一度、痛みの確認のために立ち上がっていただく。「まだ痛みが残ってますね。」
改めて健部誘導法にて鍼を繰り返したあと、再度オイルマッサージ。
治療後、「楽になってます。」

2022年8月23日に2度目の治療

「前回ここで治療する前に比べたら良くはなってますが、まだ痛みは残ってます。」

→右の第5中足骨の骨底を圧すると痛み反応。

前回の治療に加え、右の腓骨筋群、第5中足骨骨底へ鍼と灸。
治療後、「痛み抜けてますよ。」

2022年8月27日に3度目の治療

「前回の治療翌日は普通に歩いても痛くなったですが。その翌日から痛みが出始めました。当初ここに来させていただいたときを10とすると前回の治療で4になって、今は7に戻った感じです。でも、もう10の痛みはないですね。」

前回と同じ治療法。
治療後、「このまま(痛みが)抜けてくれれば良いんですけどね。」

2022年8月30日に4度目の治療

「前回の治療翌日は練習に参加できましたし、特に痛みは無かったです。普通に走れますしね。今は10のうち、2か3ですね。右足を軸足として左足でボールを蹴るんですが、このとき、右足に“ひねり”が生じるんですけど、これが痛いんですよね。」

→当初あった右腓腹筋の硬結が薄くなっていることを共有。

これまでの治療に加え、左右の下腿伸筋群(ひざ下の前面の筋肉)にアプローチ。
治療後、「これは(痛みが)抜けているのがわかりますよ。」

PAGE TOP