更年期障害

特徴

更年期(45~55歳位の期間)に生じるさまざまな不定愁訴(ふていしゅうそ:原因がはっきりしないが、なんとなく体調が悪い状態)を更年期症状といい、それらが日常生活にまで支障をきたすものを『更年期障害』と呼んでいます。

代表的な症状として、不眠・疲れやすい・イライラ・ほてり・のぼせ・発汗・手足の冷え・頭痛などが挙げられます。

原因

更年期障害の原因として、「内分泌的因子」「心理・性格的因子」「社会・文化的因子」の3要素が指摘されています。

◎「内分泌的因子」
女性ホルモンのひとつである「エストロゲン」の分泌量低下が更年期障害と深く関わっています。
エストロゲンは、女性特有の体形をつくったり、生殖器官の発育や維持といった働きをもつホルモンで、思春期に増え始め、20~30代に最も多く分泌し、60代になるとほとんど分泌されなくなります。
その中で、急激に分泌量の減少がみられる時期が更年期なのです。

◎「心理・性格的因子」「社会・文化的因子」
更年期は、

  • 子供の進学や就職
  • 家族構成の変化
  • 職場における責任ある立場や地位
  • パートナーとの関係

など、厳しいストレスを発生しやすい時期であるため、不定愁訴との関連性が指摘されています。

当院での治療法

当院では、更年期障害でお悩みの患者様に東洋医学的なアプローチを行っておりまして、患者様お一人おひとりの症状にあわせて治療法を組み立ててまいります。

実際の症例(1)

2021年10月12日/56歳/女性
「更年期の症状で困っている。動悸、ホットフラッシュ、頭痛、不安など。職場も家族も冷静に考えれば何も問題ないはずなのに、周囲にきつく言ってしまう。」

  1. 『腎陰』を補うことを目的に『腎経』に属する経穴(ツボ)に鍼(はり)。
  2. 『肝陽』を降ろすことを目的に『肝経』に属する経穴(ツボ)に鍼。
  3. 首と肩に強い緊張がみられたため、鍼、灸、あん摩、指圧を用いてそれぞれの筋緊張を緩和。
  4. 治療後、「よくわかりません。」 ※笑うことがあまり無いご様子だった。

2021年11月11日に2度目のご来院。
「あれから頭痛がしないので通ってみようかと思います。今月に入って胸がざわざわする日が多いです。」

  1. 前回の治療法に、背部『膀胱経』の経穴を追加。
  2. 治療後、「目がスッキリします。」とおっしゃったので、『肝』と目の深い関係性についてご説明。

2021年11月23日に3度目のご来院。
「一昨日久しぶりに頭痛があったけどちょっと種類が違う感じ。胸のざわざわ、動悸がまだあります。」

  1. 前回の治療法。
  2. 治療後、「体のめぐりが良くなったような…。気のせいかも。」

2022年2月27日に8度目のご来院。
「先生に伝えるのをいつも忘れてたんだけど、耳鳴りがしなくなった。ここに来させてもらう前までうるさかったのに。」

  1. これまでの治療法。
  2. 治療後、「最近ここ来るの楽しみだから。」と笑顔で話された。

2022年4月26日に11度目のご来院。
「更年期前に戻れたような気がするんです。こんな感じなんですね。」

  1. これまでと同じ治療法を行い、治療を終了した。

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