耳鳴り

特徴

耳鳴りとは、全く音がしない空間においても、耳や頭の中で異常な音を感じる症状で、「他覚的耳鳴」と「自覚的耳鳴」に大別されます。

他覚的耳鳴は、聴診器などを使えば他人も聞くことができ、身体の中で音を発生させてしまっているものです。
一方、自覚的耳鳴は本人にしか聞こえず、その原因は複数あります。

原因

外耳、中耳、内耳をはじめ、聴神経や脳に至る経路に異常が起こることで生じ、中でも、内耳の蝸牛(かぎゅう:振動を信号に変換する器官)の異常によって起こることが多いとされています。
また、血流不全やストレスによって耳鳴りが起こることも少なくありません。

当院での治療法

※当院にご来院いただいた場合におきましても、耳の炎症所見がみられる場合や、中耳炎がある上でのめまい・耳鳴り・難聴の悪化を自覚される場合は、治療を行わずに専門医への受診をお勧めしております。
この点につきまして、どうかご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

当院での耳鳴りの治療は、東洋医学的な鍼灸治療を行っております。
主に『肝』、『脾』、『腎』のうち、患者様お一人おひとりに影響を与えている働きを見つけ、それに属する経穴(ツボ)を用いて治療を進めてまいります。
また、耳周辺をはじめ、手首や手の甲、足首にも多数存在する経穴を選択し、治療に役立てております。

実際の症例(1)

2021年10月28日/60歳/女性
「13年前(2008年)に左耳の突発性難聴を発症して、すぐに病院に行ったんですけど(左耳が)まったく聞こえなくなってしまいました。ずっと右耳だけで生活してきたのですけれど、ここ数年は右耳も聞こえづらくなってきていまして。いずれ右耳も聞こえなくなると思うと、すごく怖いんです。

でも、それよりつらいのは、両耳で激しい耳鳴りが24時間365日続いてるんですね。左耳なんて何も聞こえないのに、耳鳴りはガーガーとうるさくって。耳鳴りが少しでも静かになったらとっても助かります。」
耳と深く関与する『腎』に属する足の経穴(ツボ)と、気血循環を目的に手の甲、手首に鍼と灸。

  1. 続いて首や肩、そして耳周辺の経穴に鍼。
  2. 耳に関与する血流改善を目的に、側頭筋や咬筋などにあん摩、マッサージ。
  3. 最後に背中の経穴へのオイルマッサージによって自律神経の調整を図ります。
  4. 治療後「今も耳鳴りはしていますが続けてみます。」

2021年11月5日/2度目のご来院。

  1. 前回と同じ治療法。
  2. 治療後、「ここに来る前(の耳鳴りの強さ)を10とすると、今の左耳は10、右耳は8くらいです。」

2021年11月13日/3度目のご来院。

  1. 今までと同じ治療法。
  2. 治療後、「朝起きたとき、右耳は少し弱くなってきた気がします。左は変わらず激しいです。」

2021年11月20日/4度目のご来院。
「右耳の耳鳴りが気にならなくなってきました!びっくりです。」

  1. 今までと同じ治療法。
  2. 治療後、「右の耳鳴りが聞こえないです!耳鳴りが無いからなのか、先生の声がいつもより良く聞こえます。左は残念ながら何も変わっていないです。」

2021年11月28日/5度目のご来院。
「朝起きたとき、右の耳鳴りがとっても小さいです。夕方くらいから強くなってきますが、日中はほとんど気になりません。左は足踏み状態です。」

  1. 今までと同じ治療法。
  2. 治療後、「右の耳鳴りがゼロです。左は変わってないです。」

2021年12月28日/8度目のご来院。
「右の耳鳴りは無くなりました。夕方でもゼロです。左の耳鳴りは、朝起きたとき、少し弱くなってきました。先月の右耳みたいです。左の耳鳴りも無くなれば良いのに…。」

  1. 今までと同じ治療法。治療中、「左の耳鳴りがとても小さくなりました!」
  2. 治療後、「左の耳鳴りが弱まっています。」

2022年2月6日/12度目のご来院。
「右の耳鳴りはほとんど無いし、聴力が上がった気がするんです。左の耳鳴りは、朝起きたときは明らかに弱いです。夕方には激しくなります。」

  1. 今までの治療法に加え、右半身と左半身の気を回す刺法を実施。
  2. 治療後、「左の耳鳴りが弱まっています。」

2022年3月29日/18度目のご来院。
「左右ともに耳鳴りはほとんどありません。最近、右耳が良く聞こえるようになりました。」

  1. 前回同じ治療法。
  2. 治療後、「左の耳鳴りが弱まっています。」

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