脊柱管狭窄症
特徴
私たちの背中には、脊柱管という縦に走る管があります。
脊柱管は、関節や椎間板、黄色靱帯などで囲まれるトンネルのような構造になっていて、
トンネルの中には、私たちにとって大変重要となる脊髄の神経が通っています。
このトンネルが何らかの理由によって狭くなると、中を通る脊髄の神経が圧迫され、
血流が低下して脊柱管狭窄症を発症します。
症状
私たち人間の背骨は、頭から骨盤まで24個の骨が連なって形成しています。
上から順に「頸椎(けいつい)」「胸椎(きょうつい)」「腰椎(ようつい)」と続いており、
脊柱管狭窄症は、頸椎もしくは腰椎で発症しやすい疾患です。
脊柱管狭窄症が頸椎で発症した場合…手足の痛みやしびれのほか、ペットボトルのキャップを
床に落としてしまう、字が書きづらい、歩行困難などのような運動障害も出現します。
脊柱管狭窄症が腰椎で発症した場合…腰から下の痛みやしびれが多くみられます。
また、途中で歩くのがつらくなったときに前屈姿勢で休憩すると
再び歩き出せるという間欠性跛行(かんけつせいはこう)が代表的な特徴です。
原因
骨の変形、靱帯の肥厚、椎間板の変性などによって脊柱管が狭くなってしまうことが原因です。
脊柱管には、脊髄と下肢へ伸びる神経が入っています。脊柱管が狭まると、中を通っているその神経
が圧迫され、下肢をうまくコントロールできず、痛みやしびれなどを起こしてしまうのです。
当院での治療法
当院では脊柱管狭窄症の患者様に対して、「当院で脊柱管狭窄症は治りません」とはっきり申し上げます。
脊柱管狭窄症の患者様に当院で行っているのは、「痛みから遠ざける」ことであり、
狭くなった脊柱管を広げることではありません。
先日、米国ハーバード大学の研究チームが、はり治療が脳に作用して痛みを軽減させていたことを
科学的に解明しました。当院では、まさしく痛みを「洗い流す」イメージで治療を行っており、
脊柱管狭窄症によってあきらめたゴルフを再開された方、歩行時に手放せなかった杖を
今では頼ることなくお出かけされていらっしゃる方、信号が青の間に歩いて渡りきることができず
手術を受ける決意をされた方が、当院へ通われ始めた翌月に担当医から手術は不要だと判断され、
さらにその翌月にはお勤め先への電車通勤を再開されるなど、多くの嬉しいご報告を受けております。
実際の症例(1)
2021年12月12日/54歳/男性/会社員
脊柱管狭窄症。左の腰がとても痛くて歩けない日がある。激しい痛みで寝返りがうてない。
お尻からひざまでしびれがある。手術はする予定だけど、それまでの間とても痛いので
家族がここ(当院)に行ってみてはどうかと言うので来てみた。
1.背中から腰にかけて鍼と灸。
2.その間にひざから足先までオイルマッサージ。
3.続いて背中から腰にかけてオイルマッサージ。
4.左のお尻にあん摩・指圧。
翌週となる2021年12月18日に2度目のご来院。
「ほんの数百メートルの距離を歩くのも、何度かの休憩が必要です。青信号が間に合わないこともあります。」
1.前回の治療法に腰部への電気パルス(低周波治療器)を追加。
2021年12月25日に3度目の来院。
1.これまでの治療法に加え、左のお尻へのあん摩・指圧を40分実施。
2.治療後「初めての感覚です。痛い場所がはっきりしてきたような気がします。」
2022年1月8日に4度目のご来院。
「痛みやしびれの場所がはっきりわかるようになりました。」
1.前回と同じ治療。「効いている感じがします。」
2022年1月18日に5度目のご来院。
「〇〇大学病院の担当医に『手術の必要がない』と言われました。腰の手術なので車椅子や
勤め先を辞めるなどいろいろと覚悟をしていましたので本当に良かったです。引き続きお願いします。」
1.これまでと同じ治療。※姿勢変換を楽に行えるようになった。
2022年3月5日に8度目のご来院。
「これまで車での通勤をさせてもらっていましたが、先日から通常どおり電車で通勤しています。寝返りが
難なくできるようになりました。」
1.これまでと同じ治療。
2.治療後「時々ピリッとしたしびれを感じることがありますが、ずいぶんと楽になりました。」
※2022年2月18日、この患者様のご家族がお見えになられ、私の身に余るお言葉の数々を頂戴いたしました。
今ではこのご家族の方も定期的にご来院いただいております。
実際の症例(2)
2021年11月7日/79歳/女性
5年前に脊柱管狭窄症と診断され、1週間前から坐骨神経痛に悩まされている。
起床時に左のお尻から太もも、ふくらはぎ、スネの外側まで約20分ほど涙が出るほどの激痛。
毎朝必ず激痛に襲われるため、夜眠りにつくのが怖い。
1.腰からお尻にかけて存在する代表的な経穴(ツボ)に鍼(はり)と灸(きゅう)。
2.その間にひざから足先までオイルマッサージ。
3.続いて背中から腰にかけてオイルマッサージ。
4.最後に左のお尻から太ももにかけて指圧を行う。
翌週となる2021年11月14日に2度目のご来院。
1.前回と同じ治療。
2.治療後、「軽くなりました。」
翌週となる2021年11月21日に3度目のご来院。
「ここのところ、目が覚めたときの嵐(坐骨神経痛の激痛のこと)の時間が短くなりました。」
時間をお聞きすると「詳しく計っていないけど、でも短いのは短いですね。」
1.これまでの治療に加え、お尻への指圧をさらに入念に行った。
2.治療後、「やってもらうと足が軽くなるんです。」
2021年12月5日に4度目のご来院。
「朝の嵐(坐骨神経痛)がほぼ無くなってきました。今朝なんてちょっとピリッとしたくらい。」
嵐の時間をお聞きすると「詳しく計っていないけど、でも短いのは短いですね。」
1.前回と同じ治療。
2022年1月30日に8度目のご来院。
「今朝も何も起きなかったです。でもね、肩こりがあるんです。今日から肩を診てもらえますか?」
1.これまでの治療法の一部を継続しながら、首から肩にかけての治療を行う。
実際の症例(3)
2022年2月3日/82歳/男性
奥様とご来院。とても痛々しい。
「脊柱管狭窄症。1月24日から耐え難い腰痛で本当に困っている。
じっとしていると痛くないが、動いたり、姿勢を変えると言葉にならない激痛が走る。」
1.うつ伏せの状態で、首から足首まで順に鍼。
2.ひざ下から足先までのオイルマッサージのあと、背中全体もオイルマッサージを行った。
3.お尻の筋肉2か所にあん摩・指圧。
4.最後に仰向けで前脛骨筋(スネの外側にある筋肉)に低周波治療器を行った。
5.治療後、まだ痛みが残っているとのこと。
2022年2月10日に2度目の治療。
「こんなに楽かと思うくらい楽になった。まだ姿勢を変えるときに少し痛みはある。
前脛骨筋(スネの外側の筋肉)にとても強い緊張がみられた。
1.前回と同じ治療法。
2022年2月17日に3度目の治療。
「仰向けになった瞬間、腰に少しの痛みを感じるだけで、あとは全然平気だよ。魔法か何かしたの?」
1.これまでと同じ治療法。
2.治療後、「あれ?どうしたんだ。痛くないぞ。」と姿勢を変えても痛くないことを繰り返し確認されていた。
2022年2月24日に4度目の治療。
「腰の痛みはなくなったねぇ。でも重い感じがあるんだな。あとね、ここ(左のお尻をさすりながら)
がしびれるんだ。」
1.これまでの治療に殿部への鍼通電療法を追加。
2022年3月3日に5度目の治療。
「腰もお尻も痛みがほとんどなくなったので様子見しようかと思う。」
1.これまでの治療法を行って終了。