こむら返り(有痛性筋痙攣)

特徴

運動中や就寝中、筋肉が異常に緊張して、激しい痛みを伴う痙攣(けいれん)を起こすことがあります。
これが「こむら返り」です。
“こむら”とは、ふくらはぎのことを意味する言葉で、文字通り、ふくらはぎに多く発生します。
しかし、こむら返りはふくらはぎだけに起こる症状ではありません。
スネや足の指をはじめ、手の指や胸の筋肉にも起こるのです。

原因

通常、筋肉は収縮と弛緩のバランスが保たれています。
なぜなら、収縮し過ぎても伸び過ぎても筋肉を傷めてしまうからです。
そのため、私たちの身体には、筋肉を収縮させ過ぎないようにする「腱紡錘(けんぼうすい)」
というセンサーと、伸ばせ過ぎないようにする「筋紡錘(きんぼうすい)」というセンサーが備わっているのです。
しかし、この「腱紡錘(けんぼうすい)」の働きが低下してしまうとどうなるでしょうか?
本来、腱紡錘(けんぼうすい)は筋肉が収縮し過ぎてしまうことを防ぐ役割なのですから、これが低下するということは、
収縮し過ぎてしまうことがあるということになります。これが「こむら返り」のメカニズムです。

腱紡錘(けんぼうすい)の機能低下にはいくつかの原因があります。
①筋肉の疲労
  激しい運動などによる筋肉の疲労によって腱紡錘(けんぼうすい)の機能低下を引き起こすことがあります。
②水分不足
  水分の摂取量が低い場合や、運動中や就寝中の発汗などによって起こる体内の水分不足が
  腱紡錘(けんぼうすい)の機能低下を引き起こすことがあります。
③血行不良
  血行不良が起こると身体の末端まで酸素を運べなくなるために、肩こりや眼精疲労、
  冷え、むくみなどがみられるほか、腱紡錘(けんぼうすい)の機能低下の原因ともなります。
④マグネシウムの不足
  筋肉の働きにとってカリウムとカルシウムは欠かせないほど重要なミネラルとなりますが、
  この2つのミネラルとの調整を担っているマグネシウムが不足すると、腱紡錘(けんぼうすい)
  の機能低下を引き起こしやすくなります。
  ※マグネシウムは、ひじき、ほうれん草、アーモンドなどに多く含まれます。
⑤妊娠中
  妊娠中は、足の血行が低下したり、体重の増加によって筋肉が疲労を起こすことで腱紡錘(けんぼうすい)
  の機能低下がみられやすくなります。
⑥加齢
  加齢によって腱紡錘(けんぼうすい)の機能は徐々に低下していきます。
⑦その他
  坐骨神経痛でお困りの方の多くは、こむら返りでも悩んでいらっしゃいます。
  また、肝硬変や腎不全、糖尿病なども原因となります。

こむら返りを防ぐには

・適度な運動量に抑えること
・こまめな水分補給を心がけ、就寝前はコップ1杯の水を飲むこと
・シャワーで済まさずに、毎日お風呂に浸かること
・ストレッチをしたり、適切なマッサージを受ける
・マグネシウムが多く含まれる食材を積極的に摂る (あおさ、青のり、ワカメ)

当院での治療法

私の臨床上、こむら返りは重い腰痛や坐骨神経痛でお困りの方のほとんどにみられます。
そして、それらの症状が軽減されていくにつれて、こむら返りの発生頻度も減少していくように見受けられます。
当院では、「患者様のこむら返りは何が原因なのか」を探り、適切な治療を行えるよう心がけています。

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